レイプレイ騒動その2】ニューヨーク市、ボイコットに動く
- Sun
- 04:45
- 多国籍な話題

[3] 2009.02.13 海外各国のサイトに飛び火-問題の拡大
ベルファスト・テレグラフの記事はただちに英語圏諸国の多数のニュースサイトに転載された。Amazon, rape simulationといった耳目を引きやすいキーワードが含まれていたためだ。たとえば下記のリンクはいずれも非オタク系の「まじめな」ニュースサイトである。
The Times of India "Amazon withdraws rape game"
Fox News "Amazon Halts Sales of Japanese 'Rape' Video Game"
News24 "Amazon blocks 'Rape' game"
一方、日本ではもっぱら2chやネタ系サイトでこのニュースが取り上げられた。日本での反応は紹介するまでもないだろう。
海外の真面目なサイトに付いたコメントを見るとゲームに対する強烈な非難一色で塗りつぶされている。一部のコメントはさらにエスカレートして日本そのものに対する嫌悪感を表明している。ただし少数ではあるが擁護する意見も見られた。それとは対照的に海外オタク系サイトではゲームを擁護するコメントが多数を占めた。
いずれにせよ、この時点ではよくある一過性の騒ぎでこのニュースはすぐに収束するものと大半の人は思っていたようだ。しかしそうはならなかった…
[4] 英語バージョンのレイプレイの存在
話は少し過去にさかのぼる。すでに2008年1月(あるいはそれ以前)に英語版のレイプレイが複数の海外サイトからダウンロード可能になっていたのだ。もちろんイリュージョンとは何の関係もない海外ユーザーによる無断改造バージョンである。今回の騒動がアマゾンのサイトからの商品の撤去だけでは問題が収束しなかった要因のひとつがこれである。
ちなみにレイプレイの英語版改造バージョンのダウンロードは現在でも可能だ。リンクは貼りたくないので興味のある方は自分で探してほしい。
[5] 2009.02.23 ニューヨーク市、ボイコットの呼びかけ-第2の発火点
ここからレイプレイ騒動の第二幕が開幕する。新たな役者、ニューヨーク市議会の登場である。
wcbstv.com "Boycott Of Rape-Themed Video Game Urged In NYC" [CBSニュースの動画あり]
(ニューヨーク市議会、強姦ビデオゲームのボイコットを呼びかける)
記事の翻訳:
ニューヨーク発】デボラ・ガルシア記者(CBS)
ビデオゲーム人気の上昇は議論もまた呼び起こしている。このゲームにひどく憤慨した人々は業者に販売中止を求めている。CBS 2 HDの取材班はこのゲームが多くの理由から単なる”おもちゃ”でないことを知った。
画像はこのゲームのグラフィックである―あまりに暴力的で汚らわしいので大半のグラフィックは放送できない。女性と少女が繰り返しレイプされるゲーム、レイプレイで使用されているグラフィックだ。女性を虐待すればするほどプレイヤーはより高い得点を獲得できる。
「レイプや性的暴力がゲーム内の行為に留まるとは考えられない」月曜日、ニューヨーク市議会の報道官クリスティーヌ・クィンは怒りに震えながら語った。「これは女性の生命を侵害する暴力犯罪である」
クィンと'性的暴力に反対するニューヨーク連合'(NYAASA)はこの日本製ビデオゲームの販売をニューヨークで禁止するための活動を始めている。アマゾンのような大手のオンライン業者はすでにレイプレイの販売を取りやめているが、一部のウェブサイトでは約100ドルの価格で依然として入手可能だ。
「きっぱりとノーと言うべきです。こんな逸脱を許したら、人々はこういった行為が世間で当たり前のことだと感じるようになるでしょう」とNYAASAのハリエット氏は語った。
クィンによればこの呼びかけは検閲を奨励するものではなく、あくまでニューヨーク市民がこのゲームを購入しないように求めているのだと強調した。
マンハッタンの市街地では、レイプレイを知っている、あるいはプレイしたいと考えているゲームオタクを取材班は見つけることができなかった。
「オレはゲーム暦15年のファンだけど、レイプレイなんて聞いたことないなあ」とケニー・キシックさん。「そんなゲーム好きじゃないね。息子には絶対やらせないよ」
「そりゃまったく良くないだろ」とリチャード・ロサリオさん。
「子供がプレイする可能性があるなら、販売すべきじゃないと思うね」とジェフ・デュクエさん。
このゲームが売られているのを見つけたら、その業者をニューヨーク市議会のホームページに通報して欲しいとクィンは付け加えた。
いったん収まりかけていたレイプレイ騒動はニューヨーク市議会のボイコット呼びかけにより再び火が付いてしまった。世界各国のニュースサイトやブログに記事が転載され、例のごとくコメントの山が築かれた。
しかし2度目の騒動は前回とは少し違った様相を見せはじめていた。前回同様レイプレイを袋叩きにする論者は依然として多かったのだが、それでも非オタク系の真面目なサイトにおいて冷静な意見が現れるようになったのである。たとえばここ。
guardian.co.uk "A vicious reflection of society" 2009.03.05
(悪行は社会の反映)
”過激な暴力ゲームGrand Theft Autoが許されてレイプレイが許されないのはなぜ? だいたいレイプレイひとつ潰したところでレイプ文化はなくならない。それは社会の反映なのだから”といった内容である。
また、いままで沈黙していた海外のゲーム制作者の発言も目立ち始める。彼らのコメントはさすがに鋭いものが多い。彼らの間でもレイプレイそのものに対する意見は様々であるが、特定のゲームに対するバッシングについては実体験をまじえて批判的に分析している。
長くなったので続きは次回に。
参考:
New York City Council公式HP
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